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電子ピアノ用ヘッドフォンを探す

ヘッドフォンと一言で言っても価格から用途まで様々であり、 価格が高い=良いヘッドフォンという訳では無いと言う事がわかってきました。

またエイジングといって、新品の状態から使用していくにしたがって鳴り方が変化していくそうです。 エイジング終了までには50〜200時間程必要らしいです。

さてつの用途はあくまでデジピ用であり、一番重視するのは音質です。
つまり、"いかにピアノらしい音を鳴らしてくれるか"に主眼を置いており、次に装着感を重視します。 従って音漏れや、見た目については簡単に列記はしますが、評価の対象外といたします。

一般的なポップスやクラシック等の音楽を聞くのに適しているかどうかを知りたい方は、他所様でお願いいたします。

レビュー

自分が持ってる電子ピアノ(以下デジピ)はYAMAHA P-80という機種で2001年頃購入した物です。
この機種にはスピーカーが内蔵されていないので、当然のように普段はヘッドフォンを使用しているのですが、 デジピに適したヘッドフォンを探していました。
あまり情報が出回っていないので中々大変だったのですが、 それなりに満足できるヘッドフォンが見つかったのでレビューをしてみたいと思います。
なお、オススメ情報等ありましたら、お教えいただけたら幸いです。 大体2万円以下のヘッドフォンを対象としたいと思います。理由は後述。

使用したヘッドフォンは下記の通り。
()内の価格は2008年現在のAmazonでの価格と定価です。

(1) YAMAHA P-80純正 "HPE-160"(4,385円(5,500円))
 デジピに付属していた物なのでデジピ用だと思われる。

(2) audio-technica "ATH-A500" (7,980円(11,800円))
 昔買ったオーテクの定番ヘッドフォン。アートモニタヘッドフォンと書いてあるけど、何のことかイミフ。 Amazonならこんなに安く買えるんですね涙。

(3) YAMAHA "RH-5Ma" (3,746円)
 2008年春頃購入したモニタヘッドフォン。店頭ではまず見つからない。

(4) Victor "PH-RX500" (2,592円)
 ミクシで教えてもらった室内用ヘッドフォン。TV観賞用みたい。

音質について

一番大事なのはピアノらしい音が鳴ってくれるかどうか。という事ですが。。。

(1)は流石に純正品なだけあって、一番ピアノっぽい音です。
こんなちゃちな作りなのに何故こんなに良い音なのかわかりませんが、 完全密閉型じゃないおかげか、音の抜けが良くて低音から高音まで違和感無くピアノらしいです。 ホワイトノイズも気になりません。 若干高音の割れは気になるものの、4機種中1番まし。

(2)は作りは高級感があるものの、いわゆるどんシャリタイプ。
密閉型だけに低音は良く出るのだけど、ピアノらしさは全く無くて、 高音の抜けが悪く音が篭った感じ。この事から次回ヘッドフォンを購入する時は、 密閉型よりも開放(オープンエア)型のヘッドフォンを探そうと当初は思っていました。

(3)はデジピユーザーに定評のあるモニタヘッドフォン。
ピアノ音域ではフラットに鳴ります。 ヘッドフォンレビューサイトではドンシャリタイプと書いてあったので不安だったけど、 実際デジピに使用するとすごく自然な感じ。 ピアノの音域は一般的には中音域なのかもしれない。 低音から高音までクリアなので密閉型でもピアノっぽい感じで聴けるのだと知った。 ホワイトノイズが載るのが不満だけど、密閉型はそういうものなのかもしれない。 音量を大きく、明るい音調で鳴らすと高音域で音が割れるのが残念すぎる。 刺さるようなクリアさがあるせいか、長時間使用していると耳が疲れる気がしました。

(4)はニコニコ市場で一気に有名になった機種らしい。
クリアな音はなるが(3)とは全く異質な感触。 音の抜けが良いのはハウジングの横に大きく窓が空いているからのようだ。 その分密閉型にしては低音が弱く締りが無く聞こえるが、これはこれでありな気もする。 黄味がかったような不思議な音です。 どこでなっているのか解らないような像がぼやけた感じもするけど、長時間聞いても疲れないかもしれない。 低音から高音までフラットになるので悪くは無いが、違和感がある。 また変な残響音のようなものが聞こえるが、エイジングが終了していない事に由来しているのかも。 (3)と同様に音量大、明るい音調で音を鳴らすと高音が割れます。 エイジング終了後、窓をホットボンドで塞いでみようかと考え中。

装着感などについて

(1)はデジピ専用という事でケーブル長が1m程しかない上、標準プラグのみしか使用不可です。 またコードは両ハウジングから出ておりちょっとうっとおしい感じ。 全体的に安っぽいプラスチック製で、軽いけど耳乗せタイプのせいか長時間使用すると耳が痛くなってきます。 側圧が強めなのかな。ハウジングを覆っているスポンジは使用しているうちにヘタって来ます。 日光に当たらないように保管するか、他社品のスペアを購入するといい感じ。 破けてきたので自分はSONY製の物を200円くらいで購入しました。

(2)は立派な化粧箱に入っており高級感あります。 ケーブル長は充分確保されており、もちろん標準ミニプラグ+標準プラグアダプタ付き。 ケーブルは方出しタイプで布が巻かれている。布巻きされてると強度、高級感があるし、 絡まりにくくて良い感じ。完全に耳を覆う完全密閉型で、低音がしっかり出るのも納得の作り。 バンド部には頭に当たるウイングが付いているのが特徴的。夏場は蒸れるのと、若干重いのが難点。

(3)は紙箱に入ってて印刷も2色印刷?売る気が無いとしか思えない。日本製。 耳乗せタイプで初めはちょっと側圧強めだが、使用しているうちに馴染んでくる感じ。 しかし長時間使うとやはり耳が痛くなるかもしれない。ハウジングには合皮っぽい布が張ってあり若干蒸れるかも。 バンド部は合皮張りで個人的には好みだが、バンド部にそれなりの重量があるせいか、 頭を軽く振るとずれたりする事がある。 ケーブル長は充分長く、太さもそれなりにある。両出しタイプで前後同じ形状なのでLRを間違える事も。 勿論標準ミニ+標準プラグアダプタ付き。

(4)は安価なヘッドフォンによくあるプラスチックのブリスターパックに入っているタイプ。 使用しない時に箱に入れてしまって置くには不便。どうでも良いが開けにくいんだよコレ。 耳全体を覆う完全密閉タイプ。ハウジング周りにスポンジみたいな布が張ってあって、肌触りがよく、蒸れにくい。 作りがちゃちだが大きい割りに軽く、耳の負担も少ない為長時間つけてても疲れないのがGood。 ケーブルは片出しタイプだが、細い為断線が怖い。 ケーブル長は1.5m+1.0mの延長付き。また屋内用を謳っているだけあって音漏れには注意が必要。 プラグは標準ミニ+標準プラグアダプタ。

まとめ

(1)85点・・・ホワイトノイズが気にならなく、一番ピアノらしい音
(2)45点・・・一番高かったのに一番ピアノ向けじゃなかった
(3)80点・・・ホワイトノイズや音割れが無ければ100点なのだが
(4)65点・・・悪くは無いがピアノらしさに若干劣る。装着感はマル

デジピを楽しむ上で付属の安っぽいヘッドフォンを使い続けてはいけない的な記事を呼んだ事ないですか?
今回いろいろ試してみた結果、はたして本当にそうなのだろうか?といった印象です。

上記4機種を試した結果、純正ヘッドフォンか、 原音忠実という性質を持つモニタヘッドフォンを選択すると良いかもしれないと思いました。
いずれAKG製のK501という機種と、(1)の上位機種であるHPE-170を試して見たいと思います。

※K501は生産終了してた。。。正当後継機はK601にあたるみたいです。

最後に

ヘッドフォンに興味の無い人には信じられないかもしれませんが、 1万円超のヘッドフォンですらエントリーモデルと呼ばれるようです。 何本もヘッドフォンを持ち、聞く曲に合わせてヘッドフォンや、ヘッドフォンアンプを変えたりする人も世の中にはいるとの事です。

しかしながらネット上にこんな書き込みがありました。

「何万もするヘッドフォンを買うお金があれば、もう1クラス上のデジピが買える」

人それぞれの考え方があるとは思いますが、確かに一理あるかと思います。
音の善し悪しはピアノの楽しさに直結する部分でもありますが、価格が性能や相性を裏付けるモノではないという事も解りました。 1万円以下のヘッドフォンでも機種を選べば良質な音でデジピを楽しむ事が出来るのです。

ちなみにYAMAHAの最高級デジピのDシリーズ(DGP-5及びDGP-7)に付属している ヘッドフォン(HPE-170)ですら6,999円と価格的には高級ヘッドフォンではないようです。

自分が試したヘッドフォンはごく僅かな機種でしかありませんが、この記事がうちのHPに訪れた方の参考になれば幸いです。

各ヘッドフォンスペック

メーカー YAMAHA audio technica YAMAHA Victor AKG
型番 HPE-160 ATH-A500 RH-5Ma HP-RX500 K501
駆動方式 ダイナミック ダイナミック ダイナミック ダイナミック ダイナミック
構造 密閉型 密閉型 密閉型 密閉型 開放型
周波数帯域 不明 5Hz〜30kHz 20Hz〜20kHz 10Hz〜22kHz 16Hz〜30kHz
音圧感度 不明 100dB 98dB 105dB 94dB
インピーダンス 不明 64Ω 32Ω 70Ω 120Ω
重量 不明 290g 165g 194g 235g
ドライバー直径 不明 53mm 不明 40mm 不明
コードの長さ 不明 3.0m 2.5m 3.5m 3.0m
コードの出し方 両出し 片出し 両出し 片出し 片出し

       

おまけ 参考カキコ

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HPE-160、RH-5Ma等YAMAHAの安いヘッドホン(1万未満)に逃げるのも手です。
音は高級機と比べると非常に雑ですが、デジタル楽器の演奏に対して最適に チューニングされているので独奏がソースならライブ感がピカ一です。

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ピアノとの相性なら、AKGかULTRASONE。
ULTRASONEならピアノ独特の重みや厚みが、 AKGなら響きの美しさが同価格帯の国産とは1ランク違う。
K501やPROline550なら最安値がギリギリ1万円台。
どちらもミニコンポやポータブル等では鳴らしにくいけど、 電子ピアノに直結なら本来の力が出る。
数千円まで予算を落としてヤマハって手もある。
数千円でピアノだけなら1万円台前半にも匹敵するバケモノだよ。

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結局、ヤマハのHPE-160を買いました。ヨドバシで5000円。
K501は、音はやはりヨドバシの環境ではよく分からなかったのですが、、、
つけたときの圧迫感があって、ピアノ弾くときに邪魔な気がして。
HPE-160だと軽いし、ヨドバシでピアノにつなげて弾かせてもらったんですが、 なかなかいいかな、と思いました。

で、買って帰って使ってみました。ちなみに電子ピアノはカワイのPW7です。
ハッとするようなよさはありませんが、そう悪くは無いな、というところです。
数年前に買ったパイオニアのSE-M570よりは遥かによいです。
けど、大きな音で弾くと、音が濁るというか崩れるというか。
やはりこのへんは値段なりの限界でしょうかねえ。

ただ、クラシック好きの友人がK501を買いましたので、こんど借りて試してみようと思います。
またレポさせていただきます。

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