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ニコ動用に動画をエンコする手順のメモ書き

現在ニコ動用のFLV出力する為にaviutlを使用する人は少ないかもしれませんが。。。
気まぐれに動画をエンコしてみたら、思いのほか準備が大変だったので、 忘れる前に記録しておくのココロ。既に大分忘れかけていますが。。。
かなりザックリと書いてます。気が向いたら丁寧に書くかもしれない。 ”さてつ環境”以外のことはわかりませんが、参考になれば。

多くの人が悩んであるであろう音ずれに関しては、下記方法で動画を作成した際、今の所発生しておりません。そのため音ずれ関連記事は一切記述しておりませんので悪しからず。

不明点等ありましたら、記事更新の参考になりますのでお気軽にどうぞ。

※ この記事は書きかけです。中途半端でスミマセン。随時更新していきます。

目次

1.はじめに
  1)エンコードの方針
  2)再エンコとは
  3)再エンコ回避条件

2.機材など
  1)撮影&録音機材
  2)使用ソフト
3.エンコ準備〜うpまで
  1)手順
  2)ソースのチェック
  3)各種ソフトインストール
  4)aviutl設定
  5)作成動画のチェック&うp


4.おまけコラム
  1)ビットレートについて
  2)平均ビットレート計算方法
  3)Two Pass の利点
  4)エコノミー回避について
  5)容量削減方法
  6)可変ビットレートの問題点
  7)なぜWMMを使用しないのか


1. はじめに

 1) 【エンコードの方針】
 <出来るだけ手間をかけずに、そこそこ高品質で>
をモットーにエンコします。


 2) 【再エンコとは】
ニコニコにうpすると、ニコニコ側で動画を更にエンコードされてしまいます。 これを再エンコード、通称『再エンコ』と呼んでます。 再エンコされると画質や音質が著しく落ちるので、困ったものです。

ところがうpする前に、自分で適正なエンコードをするとこれを回避することが出来ます。つまりPC上で再生した動画と、ニコニコ上で見る動画が全く同じ品質になるわけです。このためうp主品質と呼ぶ事もあります。
再エンコ回避する事で音質や画質の向上が図れるので、ニコニコにうpする方は試してみてください。
音質、画質を上げる事で良い評価(コメント)を頂けるようになった気がします。


 3) 【再エンコ回避条件】
再エンコを免れるための条件は
1) ファイルサイズ40MB以下のFLVファイルであること
2) FLVの中身がVP6、H.263、H.264でエンコされてること
3) 音声はサンプリングレート44.1kHzのMP3であること
4) 動画のサイズは512×384又は、512×288であること
5) 音声、動画のビットレートの平均値が合計600kbps以下であること。

上記条件を全て満たすと再エンコを回避する事が出来ます。
また、エコノミー回避を狙うなら音声+動画のビットレートを合計300kbps以下にする事で可能です。
ニコニコ動画(夏)から一般ユーザでもH.264を利用することが可能になりました。 H.264についてはまだ勉強中なのとVP6形式で不満がないため、ここではVP6について記します。
激しく動いたり画面が頻繁に変わる動画などはVP6の方が画質的に有利らしいです。
またH.264でエンコするにはマシンパワーが必要で、動画も重くなるとの事。


2. 機材など

 1) 【撮影&録音機材】
・CANON iVIS FS10(デジタルビデオカメラ)
・YAMAHA P-80(電子ピアノ)
・録音はライン(RCA×2)出力から、抵抗入りオーディオコードでカメラのマイク入力へ接続。
 (録画方式はMPEG2(720×480)音声はAC-3(48.0kHz)で記録)


 2) 【使用ソフト】
<aviutl関係>
aviutl : avi出力ソフト。これがないと始まらない。
aviutl FLV出力プラグイン 1.XX系統: FLV出力用プラグイン。
・ : 画面リサイズ用プラグイン。
On2 VP6 VFWコーデック: VP6出力プラグイン。
・ : MPEG2読み込み用プラグイン。

<コーデック関係>
LAME ACMコーデック 3.98b : 音声をMP3にする時に使用。通常のLIMEとは別物。
・ : MPEG2コーデック。普通初めからPCに入ってます。
・ : AC-3コーデック。うちのカメラは音声がAC3だったので導入。

<その他>
・ 真空波動研Lite : 動画がどんな形式かを調べるためのソフト
・ AnyFLVPlayer: FLV専用プレイヤ

例えば、WMVをaviutlに読ませたいなど、自分の環境に合わせてその他プラグイン、コーデックを用意してください。


3. エンコ準備〜うpまで

 1) 【作業手順】
  (1) ソフトインストール〜エンコの設定(初回のみ)
  (2) 動画取り込み〜動画のチェック
  (3) aviutlでFLV出力(同時に画面リサイズ、音声はMP3に変換)
  (4) 専用プレイヤで動画のチェックをする
  (5) うp
これだけ。簡単ですね。次からはエンコ設定する必要ありません。


 2) 【元動画を調査する】
カメラから撮影した動画をPCに取り込みます。ちなみにCANONのカメラは.MOVという拡張子ですが、中身はMPEG2なのでaviutlで読み込めるようにする為拡張子を.MPGに書き換えます。
メディアプレイヤーで再生できますか? 出来なければコーデックが不足しています。真空波動研Liteを使って再生に必要な コーデックを導入してください。
さてつの場合はMPEG2コーデックが古かったのと、AC-3という音声のコーデックが足りなかった為 その二つのコーデックをインストールしました。 DVDが再生できるPC、つまりほとんどのPCはMPEG2コーデックが導入されているはずです。

−−−−−−元動画の調査結果−−−−−−
[月光ソロ.mpg]
720x480 29.97fps 4:3 9600.00kb/s
Dolby AC-3 48.00kHz 2.0ch(2/0 L+R) CM 256.00kb/s
[Extra][3]
SCR : 00:05:36.492 (336.492sec)
GOP : 00:05:35.500 (335.500sec)
RATE : 00:05:16.530 (316.530sec)
[MPEG2] 00:05:36.492 (336.492sec) / 389,967,872Bytes

真空波動研Lite 080414 / DLL 080414
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

上記調査結果の2行目、3行目、8行目から画面サイズ、音声形式、動画形式がわかります。

無事再生できましたか?
再生できたら次はLIMEコーデックを準備しましょう。


 3) 【LIMEコーデックインストール】
LIME ACM コーデックをインストールしましょう。
音声をMP3化する際に高音質エンコードが可能になる定番ソフトです。
ただここでインストールするLIMEは一般的なLIMEと違うみたいです。
ビットレート等を細かく決められます。音質にはこだわるかたは是非導入を。 ちょっとインストール方法が特殊なので、注意してください。

DLしたファイルを解凍 → "LAME_acm.inf"を右クリック → インストールを選択


 4) 【エンコードソフトを準備する】
aviutlをインストールします。日本製のフリーウェアですので安心です。
ただしこのソフト単体ではたいした事出来ませんので、 別途プラグインを導入してやらなければなりません。
何も考えず上記プラグインを導入してやってください。ただしMPEG2読み込みプラグインは 元動画がMPEG2形式だったため導入しているので、他の形式(MP4とかか?)の場合は それに合ったプラグインを探してください。

※ MPEG2読み込みプラグインは一般的に、●●や●●を使用するのが一般的なようですが、 さてつの環境ではこれらのプラグインでは画面が緑一色になったり音が出なかったりしたため、●●を使用しています。


 5) 【エンコードソフトの設定をする】
aviutlを起動し、元動画をドラッグ&ドロップします。
aviutlの画面に動画が表示されてますか?画面の下側には音声の波形が表示されてるでしょうか?
もしされていなかったらaviutlのプラグインが足りていない、もしくは不具合がある可能性があります。 動画に合ったプラグインを導入しましょう。

動画と音声波形が表示されてる場合は次に進みます。

まず、[設定]→[Lanczos3 拡大縮小の設定]を選択し、画面サイズを512×384(4:3)か 512×288(16:9)に設定します。
SIMDの設定をするとエンコ時間を短縮できますが、PC環境によって使える物が違うので良く解らない人は非SIMDにします。

次に[フィルタ]→[LANCZOS 3lobed 拡大縮小]をチェックします。
これでエンコードファイルの画面サイズがリサイズされるようになります。


 6) 【続エンコードソフトの設定をする】
めんどくさいです。頑張って下さい。
[ファイル]→[プラグイン出力]→[VP6/MP3]を選択します。
[ビデオ圧縮]を選択します。すると以下のような画面になるはずです。


映像設定
[圧縮プログラム]を[VP62〜]を選択、
[2回目]のチェックボックスをチェック、
音声設定
[形式]をLame MP3、
[属性]を44100Hz 320 kbps ABR Stereo
を選択します。

次に映像設定の1回目の[設定]をクリックしてください。



[Bitrate]を250、
[Mode]を[Two Pass-First Pass]を選択
[Sharpness]を0
に設定してください。
他はいじらなくてOK。解らなくなったら写真のように設定すればいいです。
[OK]を押して1回目の設定を終了します。

同様に2回目の設定をします。2回目の[設定]をクリックしてください。


さっきと同様の画面が出ます。1回目の設定が反映されているのでここでは
[Mode]を[Two Pass-Second Pass-Best Quality]を選択します。
あとは先ほどと同じなので特にいじりません。[OK]をクリックしてください。
出力設定のウインドウに戻りますので、[決定]を押します。

名前をつけて保存ウインドウまで戻ってきました。ファイル名をつけて保存しましょう。
エンコードがスタートします。エンコードには5分の動画で30分くらいかかります。 気長に待ちましょう。


 7) 【動画のチェック、うpする】
いよいよ最終段階です。もう一息。

エンコードが終了したらファイルサイズを確認します。ニコニコにアップできるFLVファイルは40MBまでですので、エンコ後のファイルが40MB以下であることを確認しましょう。 次にエンコ後のファイルをFLV専用プレイヤでチェックしましょう。
音ずれや、動画がスムーズに再生できたらエンコ大成功です。
Windowsメディアプレイヤ等で再生すると、うpした時と違う動きをするらしいので、 専用プレイヤをお勧めします。
FLV専用プレイヤを導入するのが嫌な人は、ニコニコに非公開でうpした後、 IE等で確認すればいいと思います。

音ずれ等あった時は同様の手順で、PCに負荷をかけないようにもう一度エンコしたら 解決するかもしれません。
エンコ結果に満足したらニコニコにうpして公開すれば、全て終わりです。

お疲れ様でした。

−−−−−−エンコ後の調査結果−−−−−−
[月光ソロ.flv]
512x384 On2 VP6 29.97fps 257.00kb/s
MPEG1-LayerIII 44.10kHz 320.00kb/s CBR JointStereo/MS
[FlashVideo] 00:05:36.468 (336.468sec) / 24,644,217Bytes

真空波動研Lite 080414 / DLL 080414
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−


4. おまけコラムとか

 【おまけ 其の一 ビットレートについて】
本文ではさらっと流したビットレートですが、ちょっとだけ解説。

ビットレートを高くするとそれだけ高音質、高画質になり、 逆に低くすると低音質、低画質になります。
音と画と好きなようにビットレートを振り分けることが可能なので、 自分の動画が、画質を優先するのか、音質を優先するのかウェイトを置いている方に ビットレートを高く設定すると良いです。

上記の例では、音声が320kbps、動画が250kbpsに設定しています。 つまり合計570kbpsですね。再エンコの制限である600kbpsを下回るように設定しています。

なお、この設定値はあくまで目安であって、本当の平均ビットレートは エンコが終わるまで解りません。設定値をオーバーすることもあるため、 設定値合計は600kbpsぴったりにしない方がいいです。

平均ビットレートを300kbps以下にするとエコノミー回避が出来ます。
再生数が見込める動画はトライしてみてもいいかもしれません。


 【おまけ 其の二 平均ビットレート計算方法】
FLV出力後の真空波動研の結果を見ると、動画は257.00kbps、音声は320.00kbpsとなっています。エンコの設定した時はそれぞれ250、320kbpsだったので大体設定値通りですね。合計577.00kbpsで600kbpsを下回りました。
これを手計算で調べてみましょう。計算式は下記の通り。

「ファイルサイズ(バイト)÷1024×8÷動画の秒数」 < 300

真空波動研Liteの結果と差が生じました。 どっちが正しいのか解りませんけど、再エンコ回避できなかった時は平均ビットレートがオーバーしている可能性があります。


 【おまけ 其の三 Two Pass の利点】
FLV出力の際、本文ではさらっとTwo Passを選択しています。
Two Pass とは1回目に動画を解析し、2回目にエンコードをおこなう手法です。 つまり One Pass でエンコするより倍時間がかかる事になります。

わざわざ時間のかかるTwo Pass を選択する利点として、設定ビットレートが 反映されやすいという噂です。600kbpsをオーバーした為に再度設定しエンコ しなおすのはめんどくさいですからね。想像ですが、初めに解析する分エンコ が最適化され、動画も綺麗になるんじゃないかと思います。


 【おまけ 其の四 エコノミー回避について】
本文で何度かエコノミー回避という言葉が出てきています。ちょっとだけ解説。
ニコニコ動画ではサーバー負荷低減の為19時〜2時の間(いわゆるコアタイム)一般会員が動画を見るとエコノミー画質になってしまいます。 エコノミー画質というのは、再エンコ回避した動画でも品質が落ちた状態になります。 画質だけじゃなく音質も落ちます。プレミアム会員は無条件でスタンダード画質で見れます(有料)。一番再生されるだろう時間帯でうp主の望む画質で見られない為、画質や音質を重視する人はエコノミー回避という手段を取る訳です。
音と画の平均ビットレートの合計を300kbps以下にする事でエコノミー回避する事が出来ます。
ちなみにエコノミー画質になるのは次の二つの条件を両方とも満たした時になります。
1.19時〜2時の時間帯である事
2.再生数が1,000以上である事
この条件から判るとおり、さてつが投稿している動画は再生数がせいぜい500程度なので、あえてエコノミー回避する必要は無いかなと思ってます。

※追記
じわじわと再生数が増えてきて再生数1,000超の動画が出てきました。ありがたいことです。という事で最新の動画ではエコノミー回避するようにしています。


 【おまけ 其の五 容量削減方法】
フレームレートを落とす事で動画のサイズを縮小しやすくなります。
フレームレートとはアニメで言う動画の枚数(コマ数)みたいな物です。 さてつの環境では元動画は 29.97FPS (フレーム/sec) ですが、 これを 15fps に落としたのがこちらになります。 フレームレートを削っていない動画と比べて若干カクカクしているのが判ると思います。 紙芝居的な動画であれば、1桁のフレームレートで充分な場合もあるようですが、 ピアノ演奏動画だと、24fps位がいいかもしれませんね。
なんにせよ最適な設定というのは自分で試行錯誤して見つけて行かねばなりませんね。
さてつにはそんな根性ありませんでした。


 【おまけ その六 可変ビットレートの問題点】
ニコニコで動画が止まったり上手く再生できない時がありますが、ニャッポンのys-ysさんの記事によると、可変ビットレートでエンコした動画がエコノミー画質になった時に生じるのではないかと書かれています。
可変ビットレートを使用すると動きの無いシーンでビットレートを下げ、動きの激しい所などにたくさんビットレートを割くので、トータルの品質を上げる事を上げることが出来ます。固定ビットレートだとある程度ビットレートを割かなければ動きの激しい所でビットレート不足となり、ブロックノイズが発生してしまいます。
本記事にておこなっているエンコ方法はエコノミー回避せずに可変ビットレートを使用している為、前述の問題が発生する可能性があります。 実際この問題の原因が可変ビットレートにあるのかどうか不明な為、正確な所は判らないのですが、不安があるようであればエコノミー回避するか、固定ビットレートでエンコする事をオススメします。
さてつがうpした動画の中でエコノミー時じゃなくても動きがスムーズじゃない動画がありますね。 単にエンコ失敗している可能性もありますが、可変ビットレートによる物かもしれません。 次回動画をうpする際固定ビットレートを試してみようと思います。


 【おまけ 其の七 なぜWMMを使用しないのか】
WindowsユーザーならOSに標準でバンドルされているWindowsムービーメーカー(以下WMM) というソフトがあります。こちらのソフトを使ってリサイズした無圧縮aviを作成→aviutl でFLV出力という手順を踏むことも出来ます。さてつがこの手法を取らなかったのは 次の理由からです。

1.結局aviutlを使うことになるので手間
そのままです。動画を編集する必要がないのであれば、aviutlのみを使った方が シンプルで解りやすいですよね。 aviutlでもトリミングや、音声の合成くらいなら簡単にできるっぽいです。

2.音質劣化が激しい
これはいまいち原因がつかめていませんが、WMMで元動画を読み込むとエンコード前にも関わらず明らかに音質が劣化しています。 この事から、音質劣化の原因はWMMが48.0kHzを扱えない事に起因しているのじゃないかと推察します。
ちなみにaviutlで48.0kHz(AC-3)→44.1kHz PCM(WAV)にダウンサンプリングし、WMMで読み込んでも音質劣化は生じませんでした。

3.HDを圧迫する
ここでいう無圧縮aviは画面をリサイズだけしたものです。場合によってはフレームレート をいじります。エンコ自体はすぐ終わるのですが、ファイルサイズが2GBとか恐ろしい容量になります。

4.音ずれ問題
FLV出力する際、音が動画とずれることがあります。演奏動画だと音ずれは結構気になると 思うので、注意が必要です。 何度か元動画→FLVに直接エンコしてるけど、今の所音ずれ発生してません。

動画の編集等をするのにはとても手軽なソフトですので、上記問題がクリアなら WMMを使用するのもいいと思います。
しかし高品質動画を狙うなら別途プロファイルを作成してやる必要があります。
プロファイルを作成するには別途ウインドウズメディアエンコーダ(WME)を導入し、 WME内のプロファイルマネージャから、任意の設定でプロファイルを作成します。

ここでは趣旨とずれるので、割愛します。

またaviutlで無圧縮avi→FLVにエンコする際画面が上下反転します。これは仕様です。上下左右反転できるフィルタがプラグインでありますので、FLV出力する際にこのフィルタを使用し画面を戻してやってください。


参考サイト

ニコニコ動画まとめwiki
http://nicowiki.com/

ボーカロイド にゃっぽん エンコード講座(ys-ysさん)
http://v-nyappon.net/?m=diary&a=page_detail&target_c_diary_id=12943